2012 Fiscal Year Annual Research Report
日中異文化交流における葛藤発生メカニズムの解明と介入教育手法の開発
Project/Area Number |
22720214
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥西 有理 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50448156)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 異文化間教育 / 異文化葛藤 / 異文化接触 / 相互理解 / 日中異文化 / 中国人 / 中国文化 / 留学生 |
Research Abstract |
本研究は、在日外国人・留学生の中で最多数を占め、今後も国際交流やビジネス、観光等多方面で多くの異文化接触が予想される中国出身者と日本人ホストとの交流を取り上げ、葛藤発生のメカニズムを明らかにして、教育的アプローチによる葛藤解決手法を示すことを試みたものである。本研究では、日本人ホスト、在日中国人留学生、及びニューカマーの中国人住民を対象とした面接調査結果について質的分析を行い、日中の異文化葛藤要因の抽出や、在日中国人の異文化理解や適応のプロセスについて、知見をまとめた。 中国人側から捉えた日本人との異文化葛藤は、礼儀正しさや上下関係、関係性の希薄さ等、日本的対人関係の持ち方に関するものが中心に構成される一方、日本人側から捉えた中国人との異文化葛藤は、中国的対人関係の持ち方など伝統的な中国文化を反映したものに加えて、変化の著しい現代中国の社会状況を反映し台頭した新しい中国文化の特徴であると考えられるものもみられた。日本人と中国人が互いに葛藤として認識した行動について分析を進める中、「ルール依存」VS「人間関係依存」といった、対比的価値観が明らかとなっていった。 在日歴の長いニューカマー中国人の面接の分析結果からは、中国文化に特異的な価値観が、どのように日本適応の障害となりうるかに関するメカニズムが明らかとなった。また、在日中国人において、母国中国での地位の高さや中国社会に対する考え方の違いが適応の質に影響を与えている可能性があることが分かった。 これらの結果を基にして、日中異文化コミュニケーション理論の基礎段階モデルを作成した上で、日本人向けの中国人文化理解のための教材として、カルチャーアシミレータを用いた異文化間教育教材を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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