2010 Fiscal Year Annual Research Report
語学留学生の社会関係資本としての目標言語使用機会の獲得に関する研究
Project/Area Number |
22720219
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
深田 芳史 明星大学, 人文学部, 准教授 (60350279)
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Keywords | 留学生 / 社会的ネットワーク / Near Peer Role Model / English as a lingua franca |
Research Abstract |
昨年度は、日本(明星大学)そしてアメリカ(カリフォルニア州、ロサンジェルス)で、本研究に関わる第一回目のデータ収集を行なった。日本でのデータ収集が困難を極め苦労したが、アメリカの受け入れ先の大学(California State University, Los Angeles)が全面的に協力してくれた為、合計114名の留学生または留学経験者からアンケートデータを収集することができ、また、その内10数名にはインタビューも実施することができた。年度末間際に全てのデータ収集を終えたため、詳細なデータ分析結果はまだ出ていないものの、多くの留学生にとって重要なのは、英語母語話者との社会的ネットワークだけでなく、彼らと同じ非英語母語話者(他の留学生を含む)とのネットワークであることが分かってきた。日本で留学経験者からデータ収集を始めた初期の段階からこのような傾向が見えてきた為、留学生・留学経験者からのデータ収集と並行して、非英語母語話者同士による英語のやりとりが頻繁におこなわれる本大学の英語教育プロジェクト、明星サマースクールプロジェクト(本プロジェクトでは、明星大学生と非英語圏の世界各国からやってきた国際ボランティアがチームを組んで、小・中学生に英語を教える.その為の準備として参加者たちは、ミーティング、教案/教材作り、リハーサル等をすべて英語で行なう。また、授業自体もほぼ英語で行なう。)でもデータ収集を開始した。ここでのデータの数はまだそれほど多くないものの、データ分析の結果、(1)他国出身の非英語母語話者は、英語学習者のNear Peer Role Model (Murphy & Arao, 2001)になりうること、(2)多くの英語学習者にとって、英語母語話者よりも非英語母語話者との方が安心して英語でコミュニケーションできること、(3)非英語母語話者同士の英語のやりとりは重要な英語学習機会であること、分かってきた。
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