2011 Fiscal Year Annual Research Report
異文化間介護・医療の現場におけるコミュニケーションの研究
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22720221
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
渡辺 幸倫 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (60449113)
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Keywords | 異文化間介護 / 異文化間医療 / コミュニケーション / 国際情報交換 / タイ王国:オーストラリア / 病院通訳 / 日本人患者 / 文化的に多様な背景を持つ看護師・介護士 |
Research Abstract |
本研究では、異文化間介護・医療の現場におけるコミュニケーションのあり方を考察するために、オーストラリアとタイ王国の事例を中心に検討する。オーストラリアでは多くの非英語圏からの移民が介護・医療の場で働いており、そのための英語研修も盛んである。また、タイでは医療観光が成長産業として注目されており、多言語医療が重要な役割を担っている。両国で介護・医療に従事する人々および対象者へのインタビューを行うことで、異文化間介護・医療の現場におけるコミュニケーションの課題を分析する。本研究によって、外国人介護士・看護師の導入が始まった日本の現場で懸念されている課題への示唆を得たい。 2年目の本年度は、初年度の調査の成果を中間報告的に発表し、各方面から得られたフィードバックを元にさらなる現地調査を行った。具体的には、オーストラリアに関しては、高齢者施設で働く文化的言語的に多様な背景を持つ介護士・看護師についての論考を、オーストラリア学会で報告し、早稲田大学オーストラリア研究所編の論文集で発表した。オーストラリアの異文化間介護・医療の状況について、統計的な概要だけでなく、これまで国内では取り扱われてこなかったコミュニケーション上の課題に踏み込んで検討することができた。また、タイ王国については、タイ国際学会、異文化コミュニケーション学会で発表した上で、そのまとめを相模女子大学文化研究に中間報告として掲載した。また平行して、現地の調査(23年7月、8-9月、平成24年3月)も行った。これらの研究では、これまでほとんど扱われることの無かった、外国で治療を受ける日本人のコミュニケーションに関する課題を検討することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の調査を踏まえ、成果を発表し各方面からのフィードバックを受けた上で、必要な再調査を行うことができた。当初の予定としてもこのようなスケジュールであったため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の本年度は、これまで行った調査で得られた情報や学会報告をとりまとめ、研究論文として発表していきたい。その過程で必要であれば8月あるいは12月から1月にかけての時期に追加調査を行う。成果に一定の区切りがついたら、簡易版の報告書を作成し、研究の際に協力頂いた方々に配布、説明して、成果を還元するようにしたい。
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