2010 Fiscal Year Annual Research Report
解放後韓国の留学生送り出しにおける外国語教育の役割に関する研究
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22720222
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
樋口 謙一郎 椙山女学園大学, 文化情報学部, 准教授 (40386561)
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Keywords | 言語政策 / 外国語教育 / 留学 / 韓国 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の基礎となる作業として、まず解放後韓国の外国語教育の通史を構築に努めた。これまで、韓国の英語教育政策、初等学校(小学校)英語教育の現状などについて、資料収集、研究発表を行ってきたので、本年度においては、それらの研究を出発点として日本語・中国語・欧州諸語など外国語教育政策の通史的・制度的整理を行った。具体的には、国立国会図書館、日本・韓国の各大学図書館などにおいて資料調査を行った。そこで収集した資料を分析・検討し、外国語教育政策を、特に為政者の言語観と教育部門において策定される具体的な政策の関連についての知見を深めることができた。また、韓国における早期留学、各国の対外言語政策の韓国への展開などに関する資料も収集し、韓国の留学生送り出しにおける複合的要因が明らかになってきた。これらの点に関して、専門家との研究討論のなかで、今後の研究の課題について認識を深めることもでき、現在のところ、それらの成果を論稿にまとめる作業を行っている。 資料調査・論稿執筆とあわせ、留学事業および留学生の量的・質的変遷、さらに韓国の外国語教育の制度・慣行を分析する視角を深化させることにも重点を置いた。また、香港の研究者の協力を得て、近年増加している韓国人の中国留学の実態と外国語教育へのインパクトについて若干の考察を行った。また、次年度に実施する予定の米国立公文書館(NARA)における米軍政期資料の収集の準備も行った。
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