2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本古代における書状を利用した社会的情報の共有化と管理に関する研究
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22720240
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
野田 有紀子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 客員研究員 (20447569)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 書状 / 日本古代史 / 平安貴族社会 / 仮名書状 |
Research Abstract |
本研究「日本古代における書状を利用した社会的情報の共有化と管理に関する研究」は、平安期貴族社会において特定人物に届けられた書状が、本人以外が読み返信し、特定の空間で回覧され、最終的に別人が収集・保存するといった、「書状を利用した社会的情報の共有化と管理」が一般的に広く行われていた事実に注目する。従来、史学的研究対象として扱われなかった墨跡・手鑑・女性書状・古典文学・古往来を含めた、平安期書状を総合的に集成した上で、共有化行動および共有化された書状情報の内容・空間・目的・管理について検討する。これによって書状が情報伝達媒体として平安貴族社会で果たした役割が明確となり、さらに中世以降および中国古代社会と比較することで日本古代の社会的関係の独自性が究明できる。 研究最終年度に当たる本年度(平成24年度)は、初年度・第二年度に収集・整理した書状データを分析した成果として、学術論文「平安貴族子弟の寺院生活と初等教育――藤原為房一家の書状を中心に――」を執筆・発表した。これによって書状を用いた情報共有化過程と機能が明らかとなり、今後の平安貴族社会研究に活用できることが確認できた。また本年度は、唐皇帝(代宗)喪葬儀礼の式次第「大唐元陵儀注」についての長年にわたる共同研究の成果として『大唐元陵儀注新釈』を刊行した。本成果の活用により中国古代における儀礼や礼秩序の理解が深まり、それと比較することによって日本古代社会の独自性の究明につながるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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