2011 Fiscal Year Annual Research Report
イタリア史料の収集および整理による中近世移行期日本史像の再検討
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22720244
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊川 健二 大阪大学, 文学研究科, 招へい教員 (70567859)
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Keywords | イタリア / 日本像 / 日伊関係 / 地図 / ローマ / ヴェネツィア / ミラノ / 慶長遣欧使節 |
Research Abstract |
平成23年度は、3年計画の2年目として、海外調査を中心とした情報収集の年度と位置づけた。 そのため、10月30日から11月20日にかけてイタリア共和国ローマ市、ヴェネツィア市、ミラノ市、ヴァチカン市国において文献調査をおこなった。ヴェネツィアにおける調査の一部は、現地大学関係者との共同において実施した。調査は天正、慶長両遣欧使節関係古文書を主たる対象としたが、その範囲にとどまらない日本関係史料数点を確認した。最終的な判断は、検討を経る必要があるが、これらのなかには日本未紹介、未邦訳のものが含まれているものと思われる。ヴァチカン市国ウルバニアーナ大学図書館においては、関係研究文献の複写をおこなった。本年度は、上記以外の都市、またはフィレンツェにおける古地図調査をも予定していたが、時間の制約により実現をみなかった。これらの調査のうち一部は、平成24年度におこないたいと考えている。史料の詳細は、報告書を平成24年度中にまとめ、公表する予定である。調査の前提となる研究情報の収集、整理は、学生アルバイトを雇用し、委託した。 また、当初の計画では、成果の公表の場としての学会出席は3年目に組み込んでいたが、11月23日から30日、12月7日から23日の出張を、それぞれその機会として活用した。前者は、オランダにおける関係研究者との会合、後者は、日本における資料収集の期間をかねている。日本滞在は、本年度9月からロンドンへ滞在するという、本研究申請時以後に生じた変化に対処するための処置であり、大阪大学総合図書館において古文献、研究文献の複写をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年度目に実施した海外調査においては、一定程度の未紹介史料の所在を確認でき、最終年度における報告書作成の見通しをつけることができた。時間等の制約により、想定以上の成果とはいえないまでも、調査対象機関の関係史料所蔵状況の概要を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、3年間の研究計画の最終年度となる予定である。したがって、昨年度までに収集した情報を整理するとともに、報告書の作成に重点をおいた活動を推進する。また、昨年度の調査で収集できなかった情報の追加調査、調査結果の公表、関係情報の収集ならびに整理を、可能な限り並行して進めていく。
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Research Products
(3 results)