2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22720254
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
遠藤 慶太 皇學館大学, 史料編纂所, 准教授 (90410927)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 古代文字史料 / 写経 / 仏教信仰 |
Research Abstract |
本研究は日本に現存する古代写経を対象とし、原本の観察や識語内容の検討を通じて、古写経の銘文である識語の史料的価値を確定し、金石文・木簡などと同様の古代文字史料に参入させることを目的とする。 古写経はそのものが奈良時代の肉筆として重要な文化財であるので、信頼度の高い古写経識語の集成を基盤に歴史だけではなく文学・語学・宗教史などの領域と連携して検討を深めれば、奈良時代における仏教と社会の関わり・信仰のあり方を具体的な文字史料によって描き出すことができる。 平成24年度は、センチュリーミュージアム所蔵の五月一日経(光明皇后願経)・景雲一切経(称徳天皇願経)、東京国立博物館で展示されていた長屋王願経3種(和銅経1点・神亀経2点)を熟覧し、奈良時代の宮廷写経について料紙・書風の観察を行なった。このほか識語の翻刻と対照できる精良な写真図版収集の目的から、奈良時代の写経に関する図録・報告書類を系統的に購入した。 また園田女子大学(兵庫県尼崎市)を会場として古写経識語の本文を集中して検討する研究会を設け、日本文学・日本語学・仏教学各分野の専門研究者の意見を仰いで識語本文の確定を進めた。その成果は大阪歴史学会古代史部会(続日本紀研究会)が刊行する『続日本紀研究』397~400(2012年4月~10月)において「上代写経識語注釈」として順次公表した。『続日本紀研究』での連載は2012年度で終了の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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