2010 Fiscal Year Annual Research Report
室町文化の享受・形成過程に関する基礎的研究―武家儀礼の「時間」と「空間」―
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22720258
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Research Institution | Kyoto Human Rights Research Institute |
Principal Investigator |
家塚 智子 (財)世界人権問題研究センター, 研究第2部, 嘱託研究員 (10370206)
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Keywords | 日本中世史 / 室町将軍家 / 武家儀礼 / 年中行事 / 御成 / 贈答 / 饗宴 / 芸能 |
Research Abstract |
平成22年度は、南北朝期から戦国期の公家や武家の日記などの一次史料や武家故実書など、主に刊行されている史料集(史料纂集、史料大成、続史料大成、大日本古記録、大日本古文書、群書類従、故実叢書など)から、御成・武家儀礼の記事の抽出、および内容の検討を行った。未公刊史料についても、随時、調査中である。特に本年度の課題として、行事の次第といった時間的経過に注目した。史料カードを作成し、パソコンにデータ入力をしてデータベース化している。引き続き、精度をあげていきたい。 関東の鎌倉に本拠地をおいた鎌倉幕府と異なり、京都に本拠地をおいた室町幕府は、当然、旧来の公家社会のしきたりや習わしの影響を強くうける。節句、節会などの年中行事もその現れといえる。こうした年中行事の由来、変遷について、六国史や平安時代の古記録、あるいは、『万葉集』『源氏物語』などの文学作品などからも、比較・検討を行った。室町時代の武家社会における、平安貴族社会の位置付けについて、再検討を行い、見通しをたてることができた。室町文化の一つの大きな核といえる。 なお、11欄掲載の研究成果のほかに、自治体史として『伊賀市史』(共著)、書評1本、新刊紹介1本(平成23年4月刊行)、雑誌連載2回(今後年2回ずつの予定)などがある。
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Research Products
(3 results)