2013 Fiscal Year Annual Research Report
中世初期東インドにおける社会形成:規範の構築と諸社会集団間の交渉
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22720264
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古井 龍介 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (60511483)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 東洋史 / 南アジア / 東インド / 中世初期 / 社会形成 / 碑文 |
Research Abstract |
本年度はまずバングラデシュ国立博物館所蔵の碑文3点を読解し、1点の内容分析をバングラデシュ国立博物館で開かれた国際セミナーで報告し、2点の再校訂を論文として公表した。関連して、ハンブルク大学で開かれた会議にて、銅板文書の形状・形式・内容およびそこから読み取られる権力関係について、中世初期ベンガルの銅板文書を例として報告した。 ベンガルの社会形成については、後にジャーティへと発展していく同業者集団形成の一例としての商人集団の歴史変化と、ジャーティ秩序の体系化に主導的役割を果たしたブラーフマナ層のアイデンティティー明確化・ネットワーク形成・権威確立の過程を跡付け、それぞれを論文として公表した。また、ブリハッダルマプラーナのヴァルナ間混交に関する記述に見られる、ブラーフマナ層によるジャーティ秩序体系化の意図とそれにまつわる他の社会集団との緊張関係を論じた論文を公表するとともに、ベンガルの社会形成を概観する論考を執筆した。加えて、中世初期社会形成の前提となる国家形成および農業拡大についても、東京で開催された国際シンポジウムで5-7世紀ベンガルの国家形成について報告し、また7-8世紀東ベンガルの農業拡大と政治権力との関係について論文を公表した。以上の成果をまとめたモノグラフの執筆も継続して行った。 海外での調査については、まず前述の国際セミナーに合わせて訪れたバングラデシュのダカで、考古局所蔵の12点の銅板文書を調査・撮影した。ハンブルクでは、ハンブルク大学インド・チベット文化・歴史研究科蔵書を調査した。インドでは、デリーおよびコルカタにて資料調査を行うとともに、ビハール州のボードガヤー、ガヤー、ラージギル、ナーランダー近辺の各遺跡および博物館にて、遺跡および所蔵碑文の調査・撮影を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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