2012 Fiscal Year Annual Research Report
10~13世紀ユーラシア東方における外交儀礼と国際秩序
Project/Area Number |
22720267
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
古松 崇志 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (90314278)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | セン淵の盟 / セン淵体制 / 外交儀礼 / 賓礼 / ユーラシア東方史 |
Research Abstract |
本研究は、11世紀から12世紀にかけて契丹・宋間で相互に派遣された使節(国信使)がとりおこなった外交儀礼にかんする研究である。研究手法としては、その起源と後代への影響について視野に入れながら、制度の特質と変容過程を、王朝断代を越えて考察するものである。本年度は、前年度までに収集した史資料の整理・読解にくわえて中国における都城遺跡の考古学的調査・研究の最新成果をもとりいれ、遊牧民の風習にもとづき移動生活を送る契丹皇帝の居所(契丹語で「捺鉢」と呼ばれる)でおこなわれた北宋・西夏・高麗などの外国使節の謁見儀礼や宴会儀礼について分析をおこなった。また、契丹・北宋間の外交儀礼を直接継承した金・南宋間の外交儀礼についての研究も進めた。前年度までにすでにほぼ分析を終えている契丹・宋間の外交儀礼の起源、宋の国都開封で宋帝と契丹使節のあいだでおこなわれる儀礼(朝見・朝辞・宴会、道中や国都でおこなわれる接待などを含む)にかんする問題もあわせ、本研究の成果をとりまとめた論考を近く学術雑誌に発表する予定である。 そのほか、本研究課題に密接にかかわる問題として、10世紀から13世紀にかけてのユーラシア東部の国際関係について、主に契丹の動向に主眼を置いて概観する概説論文を『アジア遊学』契丹特集号に発表した。これまで積み重ねられてきた先学の研究蓄積に研究代表者自身の研究成果をくわえ、10世紀の契丹の勃興、11世紀の契丹・宋間のセン淵の盟による和平関係を基軸とする多国体制の確立、12世紀の女真(金)の勃興・南進と契丹(カラ・キタイ)の西遷という三つの局面に分けることによって、モンゴル統合以前の多極化時代のユーラシア東方史の大まかな見取り図を提示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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