2012 Fiscal Year Annual Research Report
唐代中国の文書行政システムの研究─中央アジア出土唐代公文書の古文書学的分析による
Project/Area Number |
22720271
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤木 崇敏 大阪大学, 文学研究科, 助教 (00566656)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 東洋史 / 唐代史 / 古文書学 / 文書行政 / 中央アジア |
Research Abstract |
(1)これまで蓄積したデータをもとに、唐代公文書の書式・機能的特徴を復元し、また時代や地域によるバリエーションの分析を行った。さらに、文書行政の運用については、運用規定である公式令と出土文書から帰納される実態との間には差異があることを具体的に明らかにした。 (2)近年新たに公刊された中国国家図書館蔵敦煌文献・武田科学振興財団所蔵敦煌文献(敦煌秘笈)より、唐宋代文書行政に関する史料を抽出・解読校訂し、データベースに組み込んだ。 (3)各種書式の機能差や使用条件の違いに着目し、中央行政と地方行政とを包括する公文書体系や文書の伝達経路を復元した。これまでの唐代文書行政研究では、公式令規定や皇帝を中心とする中央行政に対する分析に傾注したために、文書が出土した地方で施行された公文書の体系や伝達経路、さらにそれらの時代的な変化については不明な部分が多かった。8世紀以前の律令官制下における公文書体系とは、官府・官人間の統属関係と発出官府の組織形態に応じて編成された点に特徴がある。一方、8世紀以降の律令体制の崩壊後に現れた令外官は、既存の行政機構はおろか他の令外官とも全く統属関係を有さない。そのために、統属関係や管轄領域を越えて異なる階層の官府と連絡可能な書式(牒式)が、必然的に令外官の行う文書行政の中心的役割を果たすようになった。すなわち、8世紀以降の官文書体系は、符式・申式を中軸とする律令官制の枠内の体系と、牒式を中心とする枠外の新しい体系との二系統に再編されたことを示した。さらに、前年度の宋代文書行政に関する分析結果を踏まえ、かかる官文書体系や伝達経路の特質が、宋代にどのように継受されたか、特に牒式・帖式・状式という3種の書式を対象に分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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