2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22720277
|
Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
宮野 裕 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (50312327)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ロシア史 |
Research Abstract |
本研究は、中世ロシアにおける国家・教会関係がどのようにして、緊密化をしていくのか、法的観点からこれを考察する研究であり、その緊密化過程を同時代状況の中で検討し、そのヴィヴィッドな側面を明らかにしようとするものである。そして本年度の課題としては、1)「ウラジーミル聖公の教会規定」の論考を完成させたので、この規定と、これまでに研究を進めた「ヤロスラフ賢公の教会規定」との関係についての検討を進める。2)また関連する補完的法文献についても検討を進める。とりわけ府主教裁判法、そして15世紀初頭の府主教と大公との協約について検討し、この時期における関係の変化についての結論を出す。3)更に、全般的な国家・教会関係に関する知識を深める、という3点を掲げた。 成果としては、1)については、論稿を準備中である。ウラジーミルの教会規定の翻訳と解題は拙いものであったが、これを従前に検討したヤロスラフの規定と合わせることで、14世紀半ばから末にかけてのモスクワにおける教会法の、言ってみれば取りまとめが生じたことはほぼ確認できる。このことは研究会で報告したが、これは同時期のモスクワ国家の形成、成長過程と軌を一にするものである。ただこの時点では府主教アレクシーと大公ドミトリーの緊密な関係のもとで、両者の管轄権を法的に新たに規定し、文書化することはなかった。2)第二の課題である15世紀初頭の府主教キプリアンと大公ヴァシーリーとの関係は、全時代の如き両権力の阿吽の呼吸が前提的に存在しない時期に、聖俗の権力を法文書によって新たに規定しようとする試みであり、第一の課題で明らかにされた取りまとめを、形式は異なるものの、直接引き継ぐものとみなしうる。論稿の現物をこの時期までに完成できなかったことは慚愧に堪えないが鋭意、以上の点について論文の作成中である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)