2011 Fiscal Year Annual Research Report
18世紀フランス・ラングドック地方における司法制度改革と秩序観の相克
Project/Area Number |
22720279
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
仲松 優子 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員 (80572940)
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Keywords | 西洋史 / 近世フランス史 / 法制史 / 地域社会 / 高等法院 / ラングドック |
Research Abstract |
フランス革命直前の1780年代に、フランスのラングドック地方北部では騒擾が多発した。そのため、この地方を管轄下においていたトゥルーズ高等法院は、委員会を結成して現地に派遣し、地域住民の不満を吸い上げ司法制度改革を行うことによって危機的状況を克服しようとした。本研究の目的は、この司法制度改革をめぐって、地域諸権力および住民の間で繰り広げられた地域政治の展開と、そこにみられた秩序観の相克の様を、フランス国立文書館およびラングドック地方の複数の県文書館に収められている一次史料に基づいて明らかにすることである。また、これをとおして、18世紀フランスの権力秩序を、地域社会の視点から再考していくことを目指す。 本年度も昨年度と同様、国内の大学付属図書館およびフランスでの文献・史料調査を行った。フランスにおける調査においては、本年度は、アルデーシュ県文書館において、高等法院派遣を受け入れたラングドック地方北部(ヴィヴァレ地方)の動向を探るために、関係史料を調査・収集した。また、ラングドック地方の行政・軍事関係の文書がおさめられているエロー県文書館を訪問し、トゥルーズ高等法院の派遣任務に関する行政側の史料を調査・収集した。さらに、平成22年度の調査のフォローアップと、ヴィヴァレ地方関係文書の調査のために、パリの国立文書館を昨年度に続き再訪した。以上のような文献調査および史料調査によってえられた資・史料の分析と平行しながら、本研究の現段階での見取り図を整理するために、フランス革命史研究会で口頭発表し、論文の執筆への足がかりとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、複数の文書館での史料調査がかかせない。現段階では、各年度で行うべき調査を順調に行っており、その史料収集の成果も大きいものとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の研究計画は順調に達成されており、今後も引き続き、当初の研究計画の遂行をはかる。次年度(平成24年度)は、本研究課題の最終年度であるため、研究成果の発表のために尽力する。
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Research Products
(1 results)