• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Annual Research Report

20世紀初頭のイギリスにおけるチャリティ活動の実態的・言説的把握

Research Project

Project/Area Number 22720282
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

金澤 周作  京都大学, 文学研究科, 准教授 (70337757)

Project Period (FY) 2010-04-01 – 2013-03-31
Keywordsイギリス / チャリティ / 福祉 / 第一次世界大戦 / 貧困
Research Abstract

20世紀半ばに成立し、紆余曲折はありながらも現在に至るイギリス福祉国家は、その起源から、非国家福祉的なるもの、すなわち民間による自発的な非営利の弱者救済活動という分厚いチャリティの層を前提としてきた。この事実は、近年まで研究者の関心をほとんど引いてこなかったのだが、現代と近代、国家福祉と非営利セクターの関係(連続と断絶)を考える上で、根本的に重要である。
そこで本研究は、近代と現代のはざま、換言すれば、国家福祉の萌芽期たる前世紀転換期に焦点をあて、チャリティがいかにして現代につながっていくのかを検討しようと試みた。本年度は、第一次世界大戦期にイギリスで活況を呈した戦争関連チャリティwar charitiesを計量した。具体的には、大戦後すぐの時期に刊行された戦争チャリティの全国リストに記載されていた1万5千件以上のデータにもとづき、前年までに質的に追ってきた戦争チャリティを、チャリティの総量、地理的分布、救済目的の傾向、救済母体の類型などによって補完した(その成果は、近いうちに論文の形で公表する)。
これまで3年にわたって遂行した当研究により、20世紀におけるチャリティの持続を決定づけた原因のひとつとして、これまで言われてきた大衆貧困状況や大衆の政治的影響力の増大(選挙権の拡大など)だけでなく、未曾有の総力戦となった第一次世界大戦の果たした役割の大きさを理解することができた。総力戦は国家の財政規模を極端に増大させ、それがのちの国家福祉を可能とする巨額の財政支出に対し、国民と政府を慣れさせたということはこれまでも知られていたが、このたびの研究は、そのような突発的な事態が、民間のエネルギーの劇的な増殖・再活性化をもたらしうることをも示唆する。

Current Status of Research Progress
Reason

24年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Book (1 results)

  • [Book] 英国福侍ボランタリズムの起源――資本・コミュニティ・国家2012

    • Author(s)
      岡村東洋光・高田実・金澤周作編
    • Total Pages
      235ページ
    • Publisher
      ミネルヴァ書房

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi