2011 Fiscal Year Annual Research Report
立石寺の庶民信仰の実態的解明と霊場としての景観復元
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22720293
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
荒木 志伸 山形大学, 基盤教育院, 准教授 (10326754)
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Keywords | 山寺立石寺 / 石塔 / 墓標 / 霊場 / 磨崖供養碑 |
Research Abstract |
山寺立石寺の参道石塔の悉皆調査を行った。特に、奥の院地区と参道中腹部の未調査区域に関して重点的に調査している。職場の異動にともない必要な機材類を調達し、現地では石塔調査の経験者と山形大学学生を中心とした調査チームを組んだ。その結果、ほぼ参道の調査を終えることができた。 また、山寺立石寺の石塔群の在り方をより際立たせるため、比較霊場の現地踏査を行った。特に、比叡山における東塔・西塔の地域と横川との関係は、山寺立石寺の現在の境内地と峯の浦地区の関係を探る上で、非常に参考になるものであった。これ以外にも中尊寺や恐山などの踏査を実施した。 なお、県内の比較対象として、慈恩寺の調査を行った結果、寺内に石塔が多数存在することが判明した。年代的にも山寺立石寺の参道石塔群とほぼ同時期であり、次年度の調査対象として視野に入れていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主要テーマである山寺立石寺参道の石塔調査について、今年度でほぼ終了することができた。整理・分析作業も順調に進み比較霊場の現地踏査も開始し、重要な成果をあげている。
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Strategy for Future Research Activity |
山寺立石寺の参道石塔群の分析のため、近接した霊場を一か所設定したいと考えている。その候補として、本年度の成果をふまえて山形県寒河江市慈恩寺を検討している。 また、エクセルデータへの入力作業と参道の石塔配置の図化作業につとめていきたい。山寺立石寺の関係各所と綿密な相談の上、公開に向けて整理作業を進めたいと考えている。
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