2012 Fiscal Year Annual Research Report
在来産業と小規模家族経営の構造と論理に関する歴史地理学的研究
Project/Area Number |
22720305
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
湯澤 規子 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (20409494)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 在来産業 / 家族経営 / 歴史地理学 / 農業経済学 |
Research Abstract |
本研究は、日本における在来産業と近代産業の展開と構造を歴史地理学の視点から解明することを目的としている。平成24年度は特に次の課題に取り組んだ。 ◆課題1【山梨県甲州市勝沼町におけるぶどう栽培とワイン醸造業の展開と構造‐在来と近代の関係性についての基礎的研究‐】昨年度まで閲覧・撮影・分析に取り組んできた①大日本山梨葡萄酒会社および宮光園の史料群に加えて、②東八代郡祝村の旧役場文書【甲州市所蔵】の整理・目録作成、③葡萄酒会社関係資料一括【山梨県立博物館所蔵】の撮影・分析を進めた。②については近代の史料整理を完了し、近世の史料整理が7割完了した。①~③を用いて明治前期の動向に着目して分析した結果を「山梨県八代郡祝村における葡萄酒会社の設立と展開‐明治前期の産業と担い手に関する一考察‐」として『歴史地理学』へ投稿した。 ◆課題2【近代産業技術の確立過程‐ぶどう栽培とワイン醸造‐】昨年までの調査の過程で、当該地域には多くの技術書が残されていることが明らかになった。また、その技術は日本各地へ伝播したことも明らかになりつつある。本年度は新しい技術がどのような基盤の上に導入され、変化し、普及したのかを日本全体におけるぶどう栽培とワイン醸造業の歴史を俯瞰し、勝沼の動向を相対化する作業を進めた。具体的には明治期の産業史料、勝沼の技術書、日本各地の技術書を収集し、比較研究を進めた。 ◆課題3【産業構造の全体像】本研究課題で事例としている織物・レース産業、ぶどう栽培・ワイン醸造業をこの時期の産業史に位置づける作業として特に勧業・勧農政策の概況把握を進めた。従来の研究が主たる対象としてきた工業のみならず、農林漁業をふまえた全体像を提示するためには地域と産業の関わりを考察する必要がある。今年度はその一環としてまとめた「千葉県銚子市における根付漁業の展開と海女の役割」が『日本學』に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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