2010 Fiscal Year Annual Research Report
国際資源循環が日本の廃棄物リサイクルに及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
22720308
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波江 彰彦 大阪大学, 文学研究科, 助教 (40573647)
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Keywords | 廃棄物 / リサイクル / 国際資源循環 / 再生資源 / 台湾 |
Research Abstract |
研究初年度である今年度は、日本における廃棄物リサイクルの長期的な変動を分析するために必要な資料・データを収集し、その分析に着手した。まず、財務省貿易統計から、再生資源・中古品の輸出入データを抽出し、輸出入の長期変動や貿易相手国・地域別の特徴に関する分析を行った。この結果、中国の経済発展等を背景にした2000年前後からのトレンドの変化、品目ごとのトレンドの違い、いわゆる「リーマン・ショック」の影響などを明らかにした。その成果は、国際学会で発表した。次に、日本の廃棄物リサイクルにおける各ステークホルダの動向を明らかにすべく、特に横浜・名古屋・札幌といった大都市の環境行政担当部局が発行する『事業概要』等の資料を収集し、それらに収録されているデータの整理・分析を進めた。いくつかの大都市におけるリサイクル政策や資源回収団体などにみられる共通点と相違点を整理し、大都市の廃棄物リサイクルに対するアプローチについて明らかにする作業を進めている。また、廃棄物リサイクルにおける行政と民間の役割について分析した論文を発表した。 さらに、リサイクルのグローバル化の一端を解明するために、特に日本と台湾との関係に着目し、台湾に関係する廃棄物関連資料・データの収集を進めた。台北に渡航し、国家図書館や台湾大学図書館、書店などで、行政院環境保護署が刊行する資料、貿易統計、廃棄物処理・リサイクルに関する博士・碩士論文を収集した。また、台湾の研究者や環境関連従事者と、台湾における廃棄物処理・リサイクルの現況や、日本からの再生資源等の輸入に関して聞き取りや意見交換を行った。
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