2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際資源循環が日本の廃棄物リサイクルに及ぼす影響に関する研究
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22720308
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波江 彰彦 大阪大学, 文学研究科, 助教 (40573647)
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Keywords | 廃棄物 / リサイクル / 国際資源循環 / 再生資源 / 台湾 |
Research Abstract |
1.日本の大都市に関する廃棄物関連資料の調査 国際資源循環というグローバルな動きが日本の大都市における廃棄物管理にどのような影響や変化をもたらしているか、また、大都市間でそうした影響・変化に共通点・相違点がみられるのかについて検討するために、1980年代以降の廃棄物管理・リサイクルに関する資料調査を実施した。調査は、東京都特別区、名古屋市、札幌市、川崎市、福岡市などで行った。調査により、長期的な変動の検討や大都市間の比較が可能となる見通しがついた。また、調査で得た資料の分析を進めた。 2.大都市における廃棄物リサイクルの推移に関する研究 上記1で得た資料などをもとに、大都市における廃棄物リサイクルの推移について研究を行い、その成果を学会で報告した。この研究では、住民団体などによる民間リサイクルや行政・民間による「協働型リサイクル」に注目して分析を進めた。その結果、民間リサイクルの詳細な動向や、都市別・品目別にみた協働型リサイクルの進み具合や特徴について明らかにすることができた。 3.日本-台湾間の再生資源流動や台湾における廃棄物管理の調査 日本・台湾双方の貿易統計を用いて、日本-台湾間の再生資源流動について分析した。1990年代以降の再生資源(特に古紙やペットボトルなど)の輸出入データを検討することにより、日本を起点とする再生資源流動、台湾を起点とする再生資源流動、日本-台湾間の再生資源流動の3つを整理することができた。また、本研究課題を遂行する中で、日本国内のみならず、台湾全体や台湾の大都市における廃棄物管理・リサイクルに関する研究の重要性が高まってきたことから、関連資料・データを収集し、それらの分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画がやや過大だったことと、研究遂行の必要上、また、他プロジェクトとの兼ね合いで調査研究の内容やスケジュールを少し変更したため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度のため、当初の研究計画のうち、日本-台湾間の再生資源流動に関する調査研究を優先して実施する。それにより、アジア地域で展開されている国際資源循環の一端の解明を目指す。
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