2012 Fiscal Year Annual Research Report
居住福祉支援におけるコミュニティワークの意義と課題
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22720315
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
本岡 七海(稲田七海) 大阪市立大学, 都市研究プラザ, プラザ特別研究員 (70514834)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | コミュニティワーク / 地域づくり / 条件不利地域 / 福祉地理学 / 市町村合併 |
Research Abstract |
本研究は、「住宅」と「福祉」を融合した新たな居住福祉の在り方と、両者を包含する「地域」の問題解決能力から、地域居住福祉の可能性について検討することを目的とする。本研究の最終年度である平成24年度は本研究の調査対象地域の類型のうち「遠隔地型」である離島地域における相互扶助に基づいた高齢者介護のケア規範の構築と地域への「住み続け」を支える地域居住資源の変容についての調査を行った。高齢化が著しく進展する上甑島里地区では、古くから村の生活様式に根付く互酬的相互扶助をケアの現場に活用することで、低コストの地域密着在宅型のケアを実践してきた。しかし、2000年の介護保険制度の導入、2004年の周辺9市町村との合併によって、高齢者ケアの現場やケアをめぐる社会資源は大きく変容した。今年度はマクロスケールで実施される政策が、離島地区の小地域におけるケアを含む居住福祉の現場にもたらす変化をコミュニティワークの実践や新たな地域づくりの動きから検討した。その結果、ケア規範に関する変化が顕著であり、地縁関係を重視した互酬的相互扶助的なケアが介護保険制度に包摂されることで、金銭や制度を介して受給するサービスとしてのケアとしての認識が高まっていることが明らかとなった。また、特別養護老人ホームやグループホームの設置が相次ぎ、島での住み続けを支える居住資源は増加する一方で、ケア労働の担い手が常に不足していることが問題化しつつあることも明らかになった。また、新しい地域づくりが活発化し、アートフェスティバルの実施や旅行代理店と連携した観光プランの開発、定住促進と雇用創造を目指した人材育成事業の実施などが積極的に行われるようになったが、こうした新たな地域の動きが居住福祉へと接点を持つプロセスまでは十分に調査できなかったため、今後の課題としたい。以上の成果を踏まえて、本研究のとりまとめの作業を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)