2010 Fiscal Year Annual Research Report
カサブランカの都市計画を中心とした植民地遺産の活用とその思想に関する研究
Project/Area Number |
22720317
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Research Institution | Keisen University |
Principal Investigator |
荒又 美陽 恵泉女学園大学, 人間社会学部・国際社会学科, 准教授 (60409810)
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Keywords | アルベール・ラプラド / カサブランカ / ハッブース地区 |
Research Abstract |
今年度の最大の成果は、7月にテルアヴィヴで行われた国際地理学会の地域カンファレンスにおいて、本研究の基本的な考え方について評価を仰ぐことができたことである。質疑の中では、他のモロッコ都市との比較を強化する必要性について知ることができた。また、著名な地理学者のアン・バッティマーが座長であったため、彼女から直接いくつかの理論的な示唆を得られた。 9月には、パリで調査を行った。今年度は、パリの国立古文書館において、アルベール・ラプラドのハッブース地区設計に関する資料をもれなく入手し、徹底的に読み込むことを最大の課題とした。彼がモロッコについて残した資料は膨大にあるが、古文書館の職員の協力が得られたこと、井形和正氏のサポートがあったことから、必要な作業を終えることができた。 結果として、今までの研究書の中で小さく扱われていた図面を間近に見ることができ、ラプラドによるハッブース地区の設計に際しては、パリのマレ地区で行うことになるのと同様、建築家によって居住者となる現地民に対する一方的なイメージが強力に入り込んでいることに確信が持てた。また、他の研究では紹介されてこなかった、並行して作られた売春地区の設計図も写真に収めることができた。 フランスでの調査については、まだ国立図書館、ナントの外務省資料館において、資料収集が必要である。しかし、来年度は、カサブランカでの現地調査を優先し、地図や統計などの基本的な資料の入手と人脈の構築に尽力したい。
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Research Products
(1 results)