2013 Fiscal Year Annual Research Report
現代アフリカにおける民主国家と伝統的権威者の関係:ナイジェリアの事例研究
Project/Area Number |
22720325
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松本 尚之 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (80361054)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 文化人類学 / アフリカ / ナイジェリア / 王制 / 民主国家 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究では、ナイジェリアにおいて、諸民族の伝統的権威者(王や首長)が国家行政のなかで待つ役割や影響力について調査・研究を行うことを目的とした。最終年度にあたる平成25年度について、当初計画において設定した3つの主目標それぞれの成果は以下の通りである。 (1)行政村の分割及び伝統的権威者の新設の過程に関するケーススタディ:昨年度に引き続き、イモ州エジニヒテ地方行政区イトゥにて、新しい王の選出・認証過程について追跡調査を行った。イトゥでは村の人々が選出した王が既に州政府からの承認を受けていた。そのため調査では、承認の過程について村の代表に対する聞き取り調査によって明らかにした。一方で、予定された戴冠式は未だ開催されておらず、引き続きの調査を要することになった。また、現在イモ州政府が各行政村に対し新しい開発組織を指示している。その過程も調査することで、村落自治に対する国家行政の影響に関する情報を得ることができた。 (2)伝統的権威者の助言機関に関する調査:当初予定通り、イモ州を事例とし、州政府の助言機関に関する調査を行うことができた。特に、助言機関の代表を務める王にインタビューを行い、イモ州の政党政治が助言機関、ひいては伝統的権威者の役割に与える影響について、貴重な情報を得ることができた。 (3)ラゴス州におけるヨルバ社会の比較調査:ラゴス州における調査は、予定通り行うことができなかった。予定していたヨルバ社会との比較については、文献を用いて行いたい。 イモ州における事例研究については、一定の成果をあげることができた。特に、イモ州では、1999年の民政移管以来、与党を維持してきた政党PDPが前回選挙で敗れ、APCが実権を握っている。そのため、連邦政府との間で政権のねじれが生じており、政党政治と伝統的権威者の関係について、貴重な知見を得る機会となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)