2011 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化とフランス農民のモラル・エコノミーに関する人類学的研究
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22720328
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 理 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 特任准教授 (30402986)
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Keywords | 文化人類学 |
Research Abstract |
三年間の研究プロジェクトの二年度にあたる2011年度は、当初の計画どおり、1.初年度の現地調査で得られたデータの分析をもとに中間成果の発表を積極的に行うとともに、2.現地の人びとの認識についてより深い理解を得るためにより踏み込んだフィールドワークを実施しデータの蓄積を行った。 1.中間成果の発表:初年度の調査データの分析にもとづき、日本文化人類学会第45回研究大会において研究発表を行った。この発表は、グローバル化に起因する苦境において、フランス農民が農業労働者との関係をどのように認識しているかを分析したものである。また、主要な国際学会(IUAES/AAS/ASAANZ Conference 2011)および国際ワークショップ(International Workshop "Environmental Infrastructures", Workshop on Food Security on Anthropological Perspective(I))においても、調査地の諸側面を分析し発表を行った。さらに、理論的枠組についての分析および文献調査にもとづく論文を執筆し、それぞれ論文集所収論文として発表した(『現実批判の人類学』、『フード・セキュリティと紛争』、『コンフリクトから問う:その方法論的検討』)。 2.20H年8月5日~9月25日にフランス・プロヴァンス地方を中心に現地調査を実施した。この調査では地域の中心的な青果市場の本格的なフィールドワークを行い、市場における社会関係のあり方とその変容についてデータを収集した。これらのデータは2011年度発表の成果にも活用されており、また2012年度により深い検討を行いその内容を発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に予定していたとおりの調査を現在まで実施することができており、また調査の中間分析発表も予定していたペースで進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ研究計画に変更はなく、今年度も予定通りに遂行する予定である。
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