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2011 Fiscal Year Annual Research Report

「ロマ/ジプシー」のディアスポラ・コミュニティ生成に関する文化人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 22720329
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

岩谷 彩子  広島大学, 大学院・社会科学研究科, 准教授 (90469205)

Keywords文化人類学 / ディアスポラ / ロマ/ジプシー / マイノリティー / コミュニティ / 帰属意識 / ロマニ語 / 起源
Research Abstract

本年度は、「ロマ/ジプシー」と呼ばれる人々がいかに自らの起源及び帰属意識を認識/解釈しているのかという点について、主にルーマニアでの現地調査から明らかにした。具体的な内容は以下の通りである。
(1)UNICEFと教育省が支援するロマニ語講座での参与観察
講座参加者の帰属意識及びロマニ語教育に関するアンケート調査とロマニ語学習を行った。ロマニ語のインド諸語との言語的相同性と、地域ごとに異なる方言をもつロマニ語を(ルーマニア)標準ロマニ語に統一する方法について学んだ。さらに、ロマニ語教育がルーマニアの多文化主義政策の一環として公教育に導入され、ロマのインド起源説も教育の場で広められている現状が明らかになった。
(2)ロマのアーティストの育成と日本への招聰を手がけてきたロマフェストの、ルーマニアでの人選・練習の場、来日時の舞台とセッションでの参与観察、第3回ジプジー・シンポジウムでの報告
異なる地域のロマが「ジプシー・アーティスト」となっていく過程にたずさわり、ロマフェスト代表の増永氏へのインタビューを行った。
(3)トゥルグ・ムレシュ、クライオヴァ付近のロマの居住地
前年度より広範な地域・階層のロマを対象として、帰属意識と居住の歴史について聞き取りを行った。
(4)ロマのアーティストをプロデュースしてきたルーマニア人アーティストへのスカイプによるインタビュー
これらの調査の結果明らかになったのは、公教育の影響、生業の違い、居住地域によって異なる帰属意識が存在することである。これらの帰属意識の違いは、「ロマ/ジプシー」と呼ばれる集団内の下位集団の差異にも呼応している。ルーマニアのロマの間では、国家への帰属意識より下位集団への帰属意識が強く、1990年代以降、集団のネットワークを通じて海外での出稼ぎが行われている。また、アートや教育、福祉に携わる非ロマがロマの集団認識に及ぼす影響も明らかになった。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 露天商政策にみるインド公共空間の変容-アーメダバードの事例より2011

    • Author(s)
      岩谷彩子
    • Organizer
      第24回日本南アジア学会
    • Place of Presentation
      大阪大学
    • Year and Date
      2011-10-01
  • [Presentation] ディアスポラになりきれない人々-『ロマ/ジプシー』が分有する起源と共同体の現在2011

    • Author(s)
      岩谷彩子
    • Organizer
      日本文化人類学会第45回研究大会
    • Place of Presentation
      法政大学
    • Year and Date
      2011-06-11
  • [Book] 映像にやどる宗教、宗教をうつす映像2011

    • Author(s)
      岩谷彩子、新井一寛、葛西賢太
    • Total Pages
      289
    • Publisher
      せりか書房

URL: 

Published: 2013-06-26  

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