2012 Fiscal Year Annual Research Report
資源利用と管理に着目したスワヒリ海村の環境・生活影響評価と多民族共存の比較研究
Project/Area Number |
22720336
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
中村 亮 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (40508868)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 資源利用・管理 / 多民族共存 / スワヒリ海岸 / 文化人類学 / 比較研究 / タンザニア / ケニア / キルワ島/ラム島 |
Research Abstract |
東アフリカ・スワヒリ海村社会の海資源の利用と管理に着目して、民族間での資源の使い分け/棲み分けを明らかにするために、本年度は、本研究の主要調査地であるタンザニア・キルワ島において現地調査をおこなった。 これまで、歴史的に多民族が混住するキルワ島とマフィア島(タンザニア)、ラム島とパテ島(ケニア)において、民族に応じた沿岸資源の利用と管理について比較研究してきた結果、いずれの海村においても、波風が穏やかで魚影の濃いマングローブ内海が居住空間・生業空間として重要であった。 キルワ島では、マングローブ内海ではバントゥ漁師による採集中心漁撈、外海では主にアラブ系漁師によって刺し網中心漁撈という民族に応じた生業空間と漁獲対象の棲み分けがあった。しかし、2004年ごろから始まった環境保護政策によって、マングローブ内海での漁撈活動が制限され、漁具を没収されたバントゥ系住民は生活困窮に陥った。バントゥ系住民とアラブ系住民の経済格差の拡大は、文化的経済的にキルワ島社会の構造に変化をもたらした。文化的変化は、邪術の横行と対抗邪術としての精霊憑依儀礼の復活である。経済的変化は、家計を助けるためにバントゥ系女性が積極的に経済活動に参加し始めたことと、若者の漁撈離れ観光業嗜好である。トップダウン的な環境保護政策による伝統的な資源利用への介入が、現地の生活に文化的・経済的に与える影響について具体的に解明することができた。 本研究成果は2013年4月にトルコで開催されるGlobal Conference on Environmental Studiesにおいて「Coastal resource use and management of Kilwa Island in the southern Swahili Coast, Tanzania」として発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] “Utumiaji wa Mikoko katika Kilwa Kisiwani, Kusini mwa Mwambao wa Kiswahili, Tanzania (Direct and Environmental Uses of Mangrove Resources on Kilwa Island, Southern Swahili Coast, Tanzania)” [in Swahili, English, and Arabic]2013
Author(s)
NAKAMURA, Ryo
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Journal Title
Hiroshi Nawata, Shun Ishiyama, and Ryo Nakamura (eds.), Exploitation and Conservation of Middle East Tree Resources in the Oil Era, Arab Subsistence Monograph Series, Volume 1. Shoukadoh Book Sellers
Volume: 1
Pages: pp. 103-132
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