2013 Fiscal Year Annual Research Report
機関訴訟の可否を基礎付ける権利論についての理論的研究
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22730025
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
門脇 雄貴 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (50438115)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 機関訴訟 / 自己訴訟 / 原告適格 |
Research Abstract |
平成25年度においては、平成22年度からおこなっている、ドイツにおける機関訴訟を根拠づける権利に関し、学説および判例の分析の総括をおこなった。その際には、わが国において「機関訴訟」として想定される訴訟の類型を大きく2つに分類した。ひとつはいわゆる地方公共団体組織訴訟(Kommunalverfassungsstreit)であり、もうひとつは、とりわけ国の行政機関相互における機関訴訟(これは自己訴訟(Insichprozess)などと呼ばれる)である。 その上で、まず地方公共団体組織訴訟における訴訟法上の問題を検討し、当事者能力(Beteiligtenfaehigkeit)と原告適格(Klagebefugnis)との2つの点において、原告たる機関に権利が認められうるのでなければ適法な訴訟提起ができないことを明らかにした。さらに、問題の中核が「権利を根拠づける固有の利益が機関に認められるのか」という点にあることを定式化した上でこの問題に関する20世紀の学説を分析し、概ね、①機関訴訟においておよそ権利を要しないとする立場、②権利を利益から切り離して構成しようとする立場、③権利を利益に係留させつつ、機関の性質に即して構成しようとする立場、の3つの見解に分類した上で、いずれの見解もまだ学説上有力とされるには至っていないことを明らかにした。 他方で、自己訴訟と呼ばれる類型の機関訴訟については、機関の権利という視点よりも、むしろ行政の単一性(Einheit der Verwaltung)の観点から機関訴訟の問題にアプローチされているという違いがあることを明らかにし、とりわけ論点になっている独立委員会に係る機関訴訟の問題をそのような観点から検討した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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