2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730041
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹内 真理 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (00346404)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 国際法 / 管轄権 / 域外適用 / 普遍主義 |
Research Abstract |
本研究の目的は、執行管轄権行使とそれに伴う一連の手続を一連のプロセスとして捉え、その各段階において管轄権行使を制約する要因を丹念に抽出することである。 研究最終年度に当たる本年度は、重大な人権侵害の実行行為者に対する普遍的刑事管轄権行使に焦点を当て、執行の段階で管轄権行使が直面するさまざまな制約原理を理論的に分析することで、研究の成果の取りまとめを行った。重大な人権侵害行為については、国際公益を毀損する行為でありすべての国家が処罰に利害関心を有しうることが確立する一方で、実際の普遍管轄権行使の試みは、領域国や被疑者の国籍国の異議申立に直面し、しばしば執行を阻まれているのが現状である。本研究ではまず、このような異議申立の正当性を支える領域国・被疑者の国籍国の優越性が、それら国家が処罰に主要な責任を果たしうる地位にあることに由来するものであり、それら国家が責任を果たしえない(訴追を行う意思や能力を欠く)場合において、それを補完するものとして他の国家に普遍管轄権行使の正当性が認められることを明らかにした。もっとも依然として分権的な管轄権の法構造においてこの補完性原理を機能させるためには、領域国らの訴追の意思や能力の欠如の判断に客観性が備わっていなければならない。本研究では、領域国らが負う訴追の義務に関する実行の蓄積が、かかる客観性を担保しうるものであることを実証的に導いた。 この研究の成果を博士論文として取りまとめ(Implementing Universal Jurisdiction in International Law)、英国グラスゴー大学に提出した(2013年4月現在再審査中)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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