2010 Fiscal Year Annual Research Report
就労支援の観点に基づく我が国の社会貢献活動発展の諸条件に関する実証的研究
Project/Area Number |
22730060
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
千手 正治 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (00406018)
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Keywords | 社会奉仕命令 / 就労支援 / 社会貢献活動 / community work / 社会参加活動 / 社会奉仕活動 / 犯罪者処遇 / 社会復帰 |
Research Abstract |
今年度は、1矯正及び更生保護における就労支援の現状(法的根拠、意義等を含む)、2就労支援の課題(就労支援の成功例と就労困難者及び雇用主側の問題等)、3現行の社会参加(奉仕)活動の現状と課題、4社会貢献活動導入に向けた動向及び社会参加活動・社会奉仕活動との比較等を中心に、文献及び実務家等への聞取りによる調査を実施した。 本研究では、1対象者の就労確保により安定へと向かった事例も存在し、また刑務所出所者等総合的就労支援の導入以降、協力雇用主数も増加傾向にある一方、対象者自身の意識・態度等の問題、雇用主側のニーズとの相違等により、就労にはなおも困難な要素があること、2刑務所出所者等総合的就労支援におけるトライアル雇用は、保護観察所のニーズに合致した制度との評価がある一方、期間中における対象者自身の自己都合による退社等の問題点の指摘もあること、3就労支援及び社会貢献活動は、双方とも再犯防止策の一環と理解されているが、それぞれ別個に位置づけられていること、4社会貢献活動(平成二三年度より一部試行)と社会参加(奉仕)活動とを比較した場合、対象者や法的根拠等で相違があるが、活動内容には類似性があり、社会参加(奉仕)活動における課題(活動内容が限定的など)が、社会貢献活動における課題ともなる可能性があること等を見出し、我が国の就労支援の意義と課題を整理できたことが研究の意義であると考える。 またこれらの点は、平成二三年度のニュージーランドでの社会内労働の調査の際における、1社会内労働のトライアル雇用・職場体験講習としての要素の有無、2作業内容決定時における就労の観点の有無、3社会内労働を通じた就労の成功例と失敗例の把握、4社会内労働の委託先確保等のための方策、5犯罪者処遇における就労支援の位置づけ等の調査事項と関連するものであり、これらの調査の土台作りを行ったことが研究の重要性であると考える。
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Research Products
(1 results)