2011 Fiscal Year Annual Research Report
触法障害者に対する新たな刑事司法手続と一貫した社会復帰支援に関する比較研究
Project/Area Number |
22730062
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森久 智江 立命館大学, 法学部, 准教授 (40507969)
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Keywords | 触法障害者 / 適正手続 / 一貫した社会的援助 / 社会復帰 / 判決前調査 / 司法福祉 |
Research Abstract |
本年度は、本課題研究最終年度のまとめにあたる年度として、平成23年度に実施した調査・研究等のまとめ・公表を主としながら、今後の研究の方向性を定めるべく、以下の通り研究を行った。 1.T.Wardの社会復帰理論に関する著書の翻訳 平成23年度に引き続き、今後の犯罪行為者の社会復帰に関する理論的基礎となり得る著書、T.Wardの「Good Lives Model」に関する「Rehabilitation」の翻訳作業を継続して実施した。書籍そのものが大部であること、やや抽象的・文学的表現を含む部分があることから、やや翻訳作業が難航しているものの、近日中に出版の目途はつきつつある状況である。 2.国際犯罪学会における判決前調査に関するシンポジウムへの協力 神戸において開催された国際犯罪学会において、日本犯罪社会学会が主催するシンポジウム「判決前調査制度の国際比較」(コーディネーター:武内謙治(九州大学)・本庄武(一橋大学))にて、オーストラリアにおける触法障害者の判決前調査制度について紹介するパネリストの一人として登壇した。 3.フランスにおける触法行為を行った障害者・高齢者の処遇について調査 フランスのトゥールーズにおける刑事施設での障害者・高齢者処遇のあり方と、その処遇体制にEUが与えている影響、また、刑罰適用判事(JAP)による刑の修正手続を通じて行われている触法高齢者・障害者の社会復帰に際して必要な福祉的支援のあり方について、調査を実施した。 4.島根あさひ社会復帰促進センターにおける「社会復帰」に対する被収容者の意識と処遇に関する対話の実践 PFI施設である島根あさひ社会復帰促進センターにおいて、TC(治療共同体)ユニットに所属する被収容者との対話実践を行い、「社会復帰」についての被収容者自身の意識と、センターで行われている処遇との関係について検討を行った。
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Research Products
(5 results)