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2011 Fiscal Year Annual Research Report

敵対的買収法制の基礎的研究-日米の比較を踏まえて

Research Project

Project/Area Number 22730072
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

松中 学  名古屋大学, 法学研究科, 准教授 (20518039)

Keywords民事法学 / 会社法 / 敵対的買収 / 防衛策 / 反買収規制
Research Abstract

本研究は敵対的買収法制について、(1)日米でどのように異なるのか、(2)なぜ異なるのかを他の社会科学の成果も踏まえて明らかにした上で、(3)わが国における望ましい法制度のあり方を検討するものである。本年度は、(1)(a)昨年度分析したアメリカ法の研究を拡張して、デラウエアが取締役会中心モデルを採用してきた背景には、経営者の影響の強い議会の介入が常に控えてきたことを明らかにした。また、(1)(b)わが国については、既に分析していた判例、行政による提言に加えて、東証による自主規制も含めた包括的な分析を行った。その結果、少なくとも一定の場合には、経営者ではなく株主(総会)が防衛策の導入・発動を決めるという原則がとられているが、取締役会が決めるというモデルも部分的に残っていることが明らかになった。すなわち、具体的な事件によって明らかになった問題を解決するルール形成は進んでいるものの、防衛策をめぐる意思決定についての基本的なモデル(経営者と株主のいずれが意思決定をするのか)の選択が進んでいないという特徴を明らかにした。さらに、このことは、(2)わが国の買収法制が、複数の異なる主体(裁判所、行政、東証)が相互に影響を与えつつ、漸進的に形成されていること、および支配的な利益集団がいないというわが国の法ルールの形成過程によるものであることをデラウエアと比較しつつ、明らかにした。そして、(3)わが国の法ルールの形成過程をどのように評価するべきなのかの考慮要素も分析した。以上のように法の形成過程に社会科学的に踏み込んだ分析はわが国ではほとんど存在せず、理論的にも、また、法ルールをどのようにして作るのかという実践的な観点からも重要な意義を有する。
なお、法ルールの形成過程に関する分析をガバナンスに関する法改正や閉鎖会社における新株発行に関する判例の分析にも応用した。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011 Other

All Journal Article (3 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] わが国における敵対的買収と防衛策に関する法ルールの形成について2012

    • Author(s)
      松中学
    • Journal Title

      私法

      Volume: 74 Pages: 226-232

  • [Journal Article] 不公正発行、官報による新株発行の公告と新株発行の無効原因(東京高判平成19年3月29日金判1266号16頁)2012

    • Author(s)
      松中学
    • Journal Title

      旬刊商事法務

      Volume: 1954号 Pages: 117-122

  • [Journal Article] 社外性の要件と決議の効力2012

    • Author(s)
      松中学、中東正文
    • Journal Title

      金融商事・判例

      Volume: 1384号 Pages: 2-7

  • [Presentation] わが国における敵対的買収と防衛策に関する法ルールの形成について2011

    • Author(s)
      松中学
    • Organizer
      日本私法学会第75回大会
    • Place of Presentation
      神戸大学
    • Year and Date
      2011-10-09
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.law.nagoya-u.ac.jp/~m-matsunaka/index.html

URL: 

Published: 2013-06-26  

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