2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730077
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丸山 絵美子 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80250661)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 不当条項 / 約款 / 価格 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画最終年度であるため、研究成果の取りまとめとして、成果報告(学会)を行い、成果発表(論文公表)の準備を行った。 「不当条項規制と価格設定・商品設計の自由」というテーマに関し、とりわけ不当条項の規制と価格の低額化にフォーカスした調査・分析・検討を行った。日本においては、1950年代頃から、保険商品の填補範囲条項や運送・販売約款などにみられる免責条項と価格の低額化との関係が意識されており、現在にも示唆的な当時の議論を整理した。また、日本の議論に影響を与えているドイツの「価格論拠」を巡る議論について検討を行った。すなわち、ドイツの通説が価格論拠を否定する理由は、①価格の低額化によって条項の不当性が補償されているという主張について、因果関係の証明や低額化を判断する基準の設定が困難であること、②条項によって付与される不利益が価格の低額化と見合うものなのか疑問があること、③価格競争により不当条項の劣化を招くこと、にあることを明らかにし、価格論拠が妥当するとされる例外(一般大衆向けの少額サービス、賃貸借の修繕費用負担、選択価格表)は、①~③の批判を免れるものなのかについて判例・学説の検討を行った。さらに、EU消費者法・EU契約法におけるこの問題の取り扱いを整理し、検討を加え、問題の本質は、不当条項規制における契約の介入契機の理解と密接に関わることを明らかとし、条項に対する「顧客の認識」「選択行動の可能性」「評価能力」をキーワードとしてこの問題にアプローチする方向性を提示した。研究成果の一部は、中国での国際シンポで報告しているが、成果の詳細は、本年度中に、学術論文として公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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