2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22730083
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
榊 素寛 神戸大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (80313055)
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| Keywords | 民事責任 / 責任保険 / 損害賠償 / 巨大リスク / テロ / 被害者救済 |
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| Research Abstract |
本研究の目的は、不法行為法・会社法等の民事諸法における民事責任の問題について、民事責任を基礎づける民事諸法の観点と被害者救済を実効化する保険の観点の双方から研究を行い、民事責任と保険の相互関係を考察することにある。4年間の研究期間の2年度目である平成23年度は、研究実施計画に基づき、テロに関する研究の公刊準備と並行して、取締役の民事責任と責任保険に関する研究を公刊したうえで、東日本大震災が提起した問題に対する研究を中心として行った。具体的には、以下の通りである。
第一に、従来より進めている同時多発テロに関する研究は、研究報告を行ったうえで、論文として公刊する準備を進めている。
第二に、取締役の民事責任と責任保険に関する研究を進めた。具体的には、会社法・金融商品取引法等における取締役の責任に関する判例法理に関する研究を進めるとともに、会社役員賠償責任保険(D&O保険)に関する研究を進め、研究報告を行い、米国における防御給付に関する判例研究を公表した。
第三に、日本の自動車保険に関して、人身傷害補償保険に関する判例法理の研究を行い、研究報告を行ったうえで、判例評釈の公表準備を進めている。
第四に、東日本大震災が提起した問題に関する研究を進めた。具体的には、第一に、災害発生時の各種保険契約における保険給付の履行に関する問題、地震保険制度のあり方に関する問題等の、震災により明らかになった伝統的な保険システムに関する問題の研究を進めた。第二に、巨大リスクが企業に与える影響について、最終的なリスク負担者の設定とその方策、再保険市場の問題、企業の資金調達、強制保険の意義とその限界等の観点から、研究に着手した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の研究目的のうち、東日本大震災が提起した法律問題のリサーチに時間を割いたため、リサーチが当初計画以上に進展する一方で、成果公刊はやや遅れている。全体としては、概ね順調に進展していると評価できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は情報収集とその分析に重きを置き、成果の公刊が当初計画に比べやや遅れているため、平成24年度以降は研究成果の発表と公刊に力点を置く。
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