2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730104
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
神馬 幸一 静岡大学, 人文学部, 准教授 (60515419)
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Keywords | 医事法 / 生命倫理 / 脳神経科学 |
Research Abstract |
1.研究対象 特に,新たな進展が期待される脳神経科学に関して,それを巡る法的・倫理的問題を対象とし,国内外の研究者との情報交換を通して,海外における議論を中心に基礎的資料の収集及び整理を行った。 2.実施内容 平成23年8月においては,オーストリア・ウィーンにおける司法精神医学関連施設を訪問し,オーストリアにおける司法精神医学と法的・倫理的問題の議論状況に関する情報収集を行った。このオーストリアにおける司法精神医学の状況に関しては,平成23年12月3日に開催された日本犯罪学会第48回大会(獨協大学)において個別報告を行った。 また,ドイツ刑事法上の脳神経科学研究を巡る議論に関しては,引き続き,調査中の段階である。前年度の調査における基礎的資料の翻訳を通して,ドイツでは,特に「自由意思」の法的取扱いと「精神面における健康状態」が保護法益として設定しうるかという議論が中心に採り上げられている。このような論点も含めて,来年度においては,このドイツにおける議論状況の紹介を研究成果として,まとめあげるべく準備を進めている段階である。 また,英米法上の脳神経科学研究を巡る議論に関しても,基礎的資料の収集を開始した。現在,これらの文献を翻訳し,その内容を検討している段階である。この調査結果から,脳神経科学が法律学に対し,どのような影響をもたらすことになるのかを来年度中に,まとめあげるべく準備を進めている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外調査が年度内に実施できたことにより,調査を予定していた内容に関して,おおむね必要とされる資料の収集が完了したことから
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Strategy for Future Research Activity |
調査を予定していた内容に関して,おおむね必要とされる資料の収集は,ほぼ完了している段階にある。したがって,来年度に向けては,それらの資料を整理した上で,私見をまとめあげる作業に取りかかる。
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Research Products
(14 results)