2012 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀ドイツ自由主義の政治構想:主権概念の定位をめぐる知的格闘の系譜
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22730131
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
遠藤 泰弘 松山大学, 法学部, 准教授 (30374177)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ドイツ政治思想史 / ドイツ公法史 / 連邦国家 / ドイツ自由主義 / ギールケ / プロイス / ワイマール憲法 / 主権 |
Research Abstract |
本年度は、フーゴー・プロイスによるヴァイマル憲法の直接公選大統領制構想を、彼の政治構想の中に位置づけて解明する作業に注力した。具体的には、プロイスの政治秩序構想を踏まえ、ヴァイマル憲法における直接公選大統領制導入の経緯と意図に関する前年度までの研究を取り纏め、『政治思想研究』および『松山大学論集』に2本の雑誌論文として公刊した。 また、上記の作業と並行して、オットー・ギールケの連邦国家論に関する独語論文の執筆やヴァイマル憲法制定の審議過程に対するプロイスの関与およびそれに関わる資料状況を整理する作業に従事した。具体的には、本年度前半にドイツ・フランクフルトのマックス・プランク・ヨーロッパ法史研究所に本拠を置いて在外研究を行い、ミヒャエル・シュトライス教授やハインツ・モーンハウプト氏をはじめとする研究所メンバーと意見交換を行うとともに、継続的な資料収集活動に従事した。これらの作業の成果として、ドイツで出版予定の論文集に寄稿する独語論文を完成させた他、2012年10月に北海道大学で開催されたドイツ史研究会で研究報告を行い、プロイスのヴァイマル憲法審議過程に対する関与について、先行研究の検討と関連資料の整理を行った。 さらに、社会思想史学会からの依頼を受けて、ギールケ『ヨハネス・アルトジウス-自然法的国家論の展開及び法体系学説史研究-』の翻訳書の書評論文を執筆し、『社会思想史研究』上で公表した他、2012年10月に一橋大学で開催された、19世紀ドイツ国家学に関する社会思想史学会のセッション報告のコメンテーターも務めるなど、研究成果の積極的な公表に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までの研究成果を取り纏め、2本の雑誌論文として公刊した他、来年度以降にドイツで出版予定の独語論文を完成させた。また、北大ドイツ史研究会で研究報告を行った他、社会思想史学会のセッション報告でコメンテーターも務めるなど、研究成果の公表に積極的に取り組んでおり、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで取り組んできた研究の中で、プロイスの国際秩序観の吟味については、積み残しの課題となっている。彼の国際秩序観は、ヴァイマル憲法の直接公選大統領制構想の思想的前提ともなっており、プロイスの国家論をより包括的に評価するためには、その妥当性の吟味が不可欠である。この点について、引き続き究明の努力を続けたい。 また、来年度は最終年度にあたるため、上記の作業と並行して、本研究の最終的な総括に向けて準備を進めていきたい。
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Research Products
(5 results)