2013 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀ドイツ自由主義の政治構想:主権概念の定位をめぐる知的格闘の系譜
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22730131
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
遠藤 泰弘 松山大学, 法学部, 教授 (30374177)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 政治学 / ドイツ政治思想史 / 自由主義 / 主権 / ドイツ国家学 / フーゴー・プロイス / オットー・ギールケ / ワイマール憲法 |
Research Abstract |
本年度は最終年度にあたるため、前年度までの研究成果を総括する作業に従事した。具体的には、前年度までの研究の中で積み残しになっていた課題、すなわちプロイスの直接公選大統領制構想の思想的前提の一つである、彼の国際秩序観の妥当性を検証するため、プロイスによる国家の概念規定(他のケルパーシャフトと国家との区別)を分析した。その結果、ギールケが国家の概念規定に主権概念を導入したことによって、水平的な仲間団体論(ゲノッセンシャフト論)の貫徹が阻まれる結果となったのに対して、プロイスは「領域高権」という概念を利用して国家と自治体の原理的区別に成功し、ほぼ完璧に近い形でゲノッセンシャフト論を貫徹したことを突き止めた。 これら研究の成果は、社会思想史学会や慶應義塾大学大学院講演会の場で報告するとともに、論文としても取り纏め、『政治思想研究』に投稿した。なお本論文は、政治思想学会研究奨励賞を受賞した。 また、上記作業と並行して、プロイスがヴァイマル憲法の制定過程において果たした役割について、直接公選大統領制構想を中心に検討した。その結果、この構想は、1917年のビスマルク憲法改正案にその淵源を求めることができ、プロイセン解体等の他の構想が大きな変更を余儀なくされる中、大統領制構想はほぼ原案どおり維持されたにもかかわらず、行政府と立法府の不均衡という問題は遂に解決できなかったことを確認した。この点については、2013年12月に北海道大学で開催されたドイツ史研究会で研究報告を行った上で、共著図書に掲載予定の論文として取り纏めた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)