2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730148
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
舒 旻 早稲田大学, 国際教養学術院, 講師 (20534986)
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Keywords | 地域統合論 / 民族主義 / 東アジア / ヨーロッパ / 国際協調論 |
Research Abstract |
民族主義と地域主義の相互作用は地域統合論の重要な一部である。特に、北東と東南アジアでは、国民国家の政治的正当性を高めることができる民族主義は東アジアの地域協力に大きな影響を与えてきた。本研究は地域協力と統合プロセスにおける民族主義の政治化に焦点を絞り、ヨーロッパと東アジアの経験を比較することを通じて、理論面と実証面から比較地域統合論の構築に貢献することを目的としている。 今年度の研究は、現地における資料の収集と分析、フィールドワークの遂行、研究成果の発表に集中した。具体的には、(1)中国の上海・南京における歴史档案館や韓国の廷世大学などの研究機構において、東アジアにおける民族主義と地域主義に関する先行研究と資料を収集し、地域協力のプロセスの中で民族主義の政治化問題を考察・検討した。(2)東アジアにおける民族主義と地域主義の相互作用について、中国と韓国においてインタビューを実施した。(3)一部の研究成果は、国際学会で報告し、また共著として出版され、他の研究者から多くのポジティブなフィードバックを受けた。 本年度は、アメリカのサン・ディエゴに開催された国際研究学会(International Studies Association)の2012年度研究大会で研究成果を発表したと同時に、各国の研究者との間に交流を深めることができた。また、前年度に引き続き、Asiabarometerのデータに基づく中国の世論分析、ヨーロッパと東アジアの貿易関係、ヨーロッパと東アジアにおける地域協力の制度論に関して、学術論文を三本完成し、それぞれ共著の専門書として出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドワークを実施し、学術論文を数本完成したこと、また、国際学会で研究成果を報告し、国内外の研究者との交流ができたことから、当初の研究計画は、おおむね予定通り実施されたと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
来隼度の研究は、おおむね以下四つの面において推進する予定である。(1)東南アジアでフィールドワークを実施すること。(2)ヨーロッバと東アジアにおける地域主義の浸透について比較を行うこと。(3)比較地域統合論の視点から、ヨーロッバと東アジアにおける地域主義と民族主義の相互作用を分析すること。(4)研究成果を論文として作成すると同時に、国内または国際の学会で報告すること。
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Research Products
(6 results)