2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730176
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥井 亮 京都大学, 経済研究所, 准教授 (20563480)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | パネルデータ / 動学パネルデータ分析 / 計量経済学 / 自己共分散 / 自己相関 / 推定 / 時系列解析 |
Research Abstract |
本年度は、ファクター構造をもつパネルデータを用いて自己共分散や自己相関の、バイアスを修正した推定量の開発を行った。また関連研究として、昨年度と同じように、ファクター構造をもつパネルデータにおける漸近効率性の研究、ならびに、無限次元自己回帰モデルの推定の研究を行った。 パネルデータを使用して個人所得などの経済変数がどのように時間を通じて変化しているかを調べることは計量経済学の重要な課題である。そして自己共分散や自己相関は動学分析のための基本的なツールである。しかし、ファクター構造の入ったパネルデータにおいては、時系列分析の単純な応用で自己共分散や自己相関の推定をすると、無視できない大きさのバイアスが発生することになる。 本年度の研究では、バイアス修正を施した自己共分散あるいは自己相関推定量の構築を行った。なお、研究計画では、バイアスを解析的に推定しバイアス修正を行うとしていたが、その後の研究により、ハーフパネルジャックナイフという方法により、簡便にバイアス修正推定量を構築できることがわかり、その方向に方針転換を行った。シミュレーションによって、バイアス修正推定量の性質を調べたところ、推定量の振る舞いが不安定になる場合も散見されるものの、おおむねバイアスの修正に成功した。現時点でも十分に実用に堪えるものであるが、今後、実用を通して細やかな調整を行えば、さらに信頼のおける推定量を構築できるであろうと思われる。 またファクター構造のあるパネルデータモデルにおける漸近効率性の研究については、前年度までに効率限界の導出に成功しており、今年度では他の既存研究との数学上の関連点を調べることに注力した。 さらに、無限次元自己回帰モデルの推定の研究も行った。この研究はほぼ完成した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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