2012 Fiscal Year Annual Research Report
経済時系列分析手法の統計的推測とその応用に関する研究
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22730180
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
瀧本 太郎 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70403996)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 時系列分析 / 偏因果性 |
Research Abstract |
本研究は,実証分析を行う際に有益な手法の開発,統一的に分析できかつ容易に実行可能なアルゴリズムの提供,経済分析への応用を目的とする. 前年度から行っている3変量VAR(2)モデルとVARMA(1,1)モデルにおけるシミュレーションの分析のさらに詳細な検討を行った.アメリカの金融データ,GDP,長期と短期利子率の差,消費者物価指数,マネーサプライ(M2)を用いた実証分析を行った.消費者物価指数,マネーサプライを第3の変数として,GDPと長期と短期利子率の差の間の因果関係の分析を行った.その結果,長期と短期の利子率の差からGDPへの単純因果性は長期で有意であったが,偏因果性は長期でもあまり有意でないことが明らかになった.以上の内容をまとめて,6月に日本応用経済学会,9月に統計関連学会連合大会で報告を行った.その後,ディスカッションペーパーの作成を行った. また,日本の国家レベルにおける財政データを用いて,TAR/MTARモデルによる,歳入・歳出間の因果性分析を行った.TAR/MTARモデルにおいて閾値を推定しても,基本的には因果性が検出されなかった.結果の一部は,Studied in Applied Economics (応用経済学研究)に掲載された.また,未公表の分析結果については,2013年8月にSingapore Economic Review Conference 2013での報告が決定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シミュレーションによる提案された手法の小標本パフォーマンスが明らかになりつつあり,また,実際のデータを用いた応用の結果も出始めているため.
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Strategy for Future Research Activity |
さらに小標本パフォーマンスを調べるために,予測の2乗誤差等を用いた分析を行う予定である.また,日米のマクロ金融データ,日本の財政データを用いた分析を行う予定である.
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