2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730187
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
有本 寛 一橋大学, 経済研究所, 准教授 (20526470)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 換地 / メカニズムデザイン / 農地の集積 |
Research Abstract |
平成24年度は,(1)農地の流動化を巡る農家の意識調査の実施と取りまとめ,(2)区画交換による農地集積のシミュレーションの取りまとめ,(3)成果の集大成として学会シンポジウムでの報告,を行った. (1)農地の流動化は喫緊の課題であるにも関わらず,農地取引の実態が定量的に十分に把握されていないという課題が残されていた.そこで,長野県の集落を対象に,農地の流動化を巡る農家の意識調査を実施した.調査の結果,農地を巡ってイエ意識・ムラ意識が依然として残っていること,しかし同様の調査が行われた1991年と比べるとこれらの意識は薄らいでいること,同一世帯内であっても世帯主に比べて後継者の方がこれらの意識が弱いこと,その一方で,一定数の農家は区画の交換による農地集積に賛同していることが判明した.これらの結果から,イエ意識・ムラ意識が農地の流動化の阻害要因となり得る一方で,交換による農地集団化の可能性があることが示唆される. (2)農地集積を巡る既存研究では,人への集積(規模拡大)に主眼が置かれ,面的集積(集団化)の分析が欠落していた.区画交換による農地集団化のシミュレーション分析では,「欲求の二重一致」に焦点を当て,自由放任下の農家の分権的な相対交換では農地集団化が進まないことをシミュレーションで定量的に示した.また,この問題を解消する集団・集権的な交換の方法を提案し,高い集団化を実現できることを確認した. (3)2013年度日本農業経済学会全国大会シンポジウム(平成25年3月29-30日開催)において,「農地集積と農地市場」というタイトルで報告・ディスカッションを行った.日本で農地集積が進まない状況を農地市場の特性に関連づけて議論した報告であり,本科研で得られた成果である,ほ場整備が農地の流動化に与える影響分析,および区画交換による農地集団化のシミュレーション分析の結果を報告した.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)