2010 Fiscal Year Annual Research Report
人々の公正感が環境ビジネスにおける企業行動及び政策設計に与える影響
Project/Area Number |
22730203
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
内田 俊博 中京大学, 経済学部, 准教授 (60463113)
|
Keywords | 環境経済学 / 環境政策 |
Research Abstract |
平成22年度は、人々の公正感が環境ビジネスにおける企業行動及び政策設計にどのような影響を与えるのか明らかにすることを目的として、主に以下の2点について研究を進めた。 (1)文献調査による仮説の構築 文献調査を行い、環境ビジネスという文脈で明らかにする意義が大きいと思われる論点を分析し、具体的な仮説を構築した。 (2)アンケート調査 上記(1)で構築した仮説を検証するために、アンケート調査(web-basedアンケート)を行った。 調査で検証した具体的な仮説としては、主に次の2点に分類される。 (a)企業の価格戦略は、補助金が生産者側に支払われる場合と消費者側に支払われる場合とでは、人々の公正感に異なる影響を与える。 (b)企業の価格戦略は、補助金の性質によって、人々の公正感に異なる影響を与える。 これらの仮説の経済学及び環境政策上の意義としては、税(補助金)の帰着分析(税が最終的に誰によって負担されるか)に新たな視点をもたらすことが挙げられる。従来の帰着分析では、表面上の税の負担は最終的な帰着に影響を与えないとされてきた。しかし、企業の価格戦略が人々の公正感に影響を与えるとき、この主張は成立しないことになり、誰にどのような性質の補助金を与えるかという政策上の決定が、補助金の帰着やひいては補助金の効果(環境技術開発の促進など)に影響を与えることになる。アンケート調査結果の詳細な分析は次年度に行うことになるが、予備的な分析では、状況によっては仮説が成立するように見られる。
|
Research Products
(1 results)