2012 Fiscal Year Annual Research Report
経済学的インセンティブに基づいた省エネルギー行動促進政策の検討
Project/Area Number |
22730217
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
溝渕 健一 松山大学, 経済学部, 准教授 (90510066)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 経済的インセンティブ / 節電 / 社会実験 / 家計部門 |
Research Abstract |
平成24年度は、前年度の実験から得られた知見をもとに、2度目の節電社会実験を実施した。この社会実験では、前年度の実験で確認されたインセンティブ(報酬)による節電促進効果について、さらに別の視点を加えて検証することを目的としている。初回実験との違いは、1)地域間比較と、2)夏期の実験の実施である。これまで愛媛県松山市でのみ実験を行ってきたが、本年度は、関西地方の家計も対象に含めた。これは、地域による家計特性の違いによって、節電行動に差が生じるかを検証することを目的としている。また前年度は10月-11月という比較的電力供給に余力があり、また過ごしやすい季節であるため、節電が容易であった予想される。本年度は特に節電が求められる夏場を実験期間とし、インセンティブの効果を再び検証した。 実験は、松山市と大阪市の家計からランダムに抽出した約400家計を4つのグループに分け、インセンティブと節電手段の提供の効果を、コントロールグループと比較した。実験期間は2012年8月の1ヶ月間で、各世帯の電気使用料明細から前年同月比で節電率を計算し、節電効果の検証を行った。また、参加家計にはアンケートで、節電への取組、エコポイント対象家電の所有状況、世帯属性などを回答してもらった。実験の結果、各地域ともグループ間の節電率に有意な差は確認されなかった。これは、2012年夏期の気温が前年より高かったことによる節電の限界費用のの上昇や、電力供給余力に基づき設定された地域単位の節電目標の事前公表などが原因として考えられる。その一方で、大阪の4グループの平均節電率は松山よりも有意に大きかった。これは関西の節電目標が15%に対し、松山は7%であったことが理由として考えられる。これより、インセンティブによる節電促進は気温に大きく依存すること、地域単位での大規模な目標設定は節電促進に有効であることなどが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)