2011 Fiscal Year Annual Research Report
少子高齢化および不況下における地方都市人口・所得の空間的変化:常磐地域を例に
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22730218
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
米本 清 福島工業高等専門学校, コミュニケーション情報学科, 准教授 (10462631)
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Keywords | 経済政策 / 経済統計学 / 地域経済学 / 少子高齢化 / 不況対策 / 震災復興 |
Research Abstract |
本研究では、3年間の研究計画における第2年目として、地域産業連関分析・空間的分析を応用しモデルを拡張した。さらに、東日本大震災・原発事故の影響を考慮した上で、福島県浜通り地方の人口・経済データを追加収集し、暫定的な結果の導出・地理情報ソフト(GIS)による図化を行った。 手法の開発: .福島県内を6地域に分けて地域産業連関分析を行うため、存在するデータから地域間産業連関表を作成する方法を研究した。 ・空間的分析を行うため、ポテンシャルモデルおよび推定手法の研究を行った。 ・学会等で発表し、両分析を専門とする研究者の意見を聞いた。 データの追加とモデルの作成: ・福島県による2005年分の地域産業連関データ公表にともない、データ(昨年度、2000年分に関してまとめたもの)をアップデートした。 ・震災の影響に関わる人口・経済データを幅広く収集した。 ・新データを用いて地域間交易を推定し、地域間産業連関表を作成した。 ・新データおよび昨年度入手したメッシュ・データを用いてポテンシャルモデルを再推定し、また空間自己相関等に関わる検定を行った。 ・地域間産業連関分析と空間的分析を統合した拡張モデルを作成した。 ・震災前の変化、震災の影響、政策の効果予測をGIS(ArcView)により視覚化した。 結果の考察: 以上の分析から、不況や震災の影響が特徴付けられたとともに、震災により自地域や他地域に与える影響が変化した産業および自地域や他地域から受ける影響が変化した産業が示され、政策的な提言が得られた。また、公的支援がどのような地区に大きな影響をもたらすかについて、空間的に示すことができた。 ・学会発表を3件行い、論文を英文雑誌に投稿申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が対象としている地域は東日本大震災の影響を受けたためデータを再収集し、手法に関しても再検討する必要が生じたが、同時に本研究の重要性も増したため、詳細データや各方面からの協力を得ることができ、また発表の機会も増え、全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はこれまでに対象とした福島県の各地域に加え、茨城県の各地域についても一体的に分析することを目標としているため、新年度は後者のデータ整理・分析を重点的に行い、同時に震災に関わるさらに正確なデータ収集につとめ、本補助金による研究期間の最終年度であることをふまえ、これらの地域を効果的に分析できるモデルとして一定の結果・結論を得たい。
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