2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730224
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
近藤 豊将 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (90327693)
|
Keywords | 財政政策 / 維持可能性 / 動学的一般均衡 |
Research Abstract |
かねてより国際査読付き雑誌に投稿中だった論文2編について、編集部から、改訂を要求されたため、それに従って改訂を施し再投稿した。 一つは、インフレーションの国際的連動性に関する研究である。外国の拡張的金融政策が、自国の財政政策の維持可能性に悪影響を及ぼし、それを補償するために自国政府も拡張的金融政策をとるインセンティブを持ってしまう可能性がある。どのような場合(パラメータの範囲)に、インフレが伝染Lやすいか、逆にデフレが伝染しやすいのはどのような場合かを理論的に考察している。このような感染経路を経てインフレが国境を超える可能性を指摘したのは、世界初のはずである。レフェリーからもかなり推奨してもらっており、現在、2度目の改訂中であるが、掲載許可を得られる可能性は高いはずである。 もう一遍の論文は、少子化(人口成長率の低下)が財政政策の維持可能性に与える影響を分析したものである。人口成長率の減少は、担税者の減少の加速を意味するので、政府の借金返済問題にとっては、マイナス要因である。人口成長率が減少した時、一人当たりの税率をどれだけ増加させれば借金の維持可能性を保てるのか、移民などにより人口規模(担税者人口)を1パーセント増加させることが、どの程度の助けになるのかを、シンプルな動学モデルを用いて研究した。このような問題意識も、これまでになかったものであり、その点、レフェリーからも好意的な意見を頂戴している。 また、2つの国際査読付き雑誌から、レフェリーを依頼されたためその仕事を行った。
|