2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22730243
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
中神 正史 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 准教授 (30454979)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 母子保健 |
Research Abstract |
本研究では、計量経済学的な手法を用いて、多民族社会であるグアテマラの農村部での母子の健康に関する家計行動を分析する。分析を踏まえ、複数の民族が混在する低所得国における母子保健に関する政策に寄与することが、本研究の主眼である。 本年度は、以下の研究を進めた。第1は、乳幼児の健康状態に関する母親の評価(認知)についての分析である。分析では、民族間で健康状態の評価に違いが生じる要因を分析した。その要因が、所得・教育水準などの社会経済的な相違に起因するものか、もしくは民族間の文化的な相違によるものか検証を試み、論文を執筆した。 第2は、カロリー摂取量の所得弾力性に関する分析である。グアテマラにおいては、乳幼児の栄養不良が深刻な先住民族は、社会文化的な要因などにより、他の民族に比べ、社会経済的な地位の向上が、乳幼児の栄養状態の改善に繋がらない可能性が指摘されている。本分析は、この指摘の検証を試みるものである。分析では、先住民族の方が、弾力性が低い傾向が確認されるが、分析の頑強性・妥当性の検討が必要である。 第3は、分娩施設の選択行動に関する分析である。低所得国では、出産の際に施設分娩が選択されない事が、出産時の母親の死亡率の低下を妨げる要因として、指摘されている。本分析は、先住民族が他の民族に比べて、施設分娩を選択しない要因を明らかにすることを目的としている。本年度は、データを作成し、モデルの推計を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の研究の進行の遅れによる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の分析を進め、論文を執筆し、随時投稿する。
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