2011 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害教育および障害者雇用政策に関する理論・実証分析
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22730244
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
坂本 徳仁 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 特任講師 (00513095)
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Keywords | 聴覚障害教育 / 障害者雇用政策 / ミクロ計量経済学 / 仮想市場評価法 |
Research Abstract |
聴覚障害教育の研究については、ろう学校に通学する聴覚障害児童の学力の状況とその決定要因を分析するために、質問紙調査を実施するための調整をはかってきた。具体的には、特定地域のろう学校および父母会と調整を行ない、質問紙調査を実施できるように準備を進めてきた。 障害者雇用の研究については、研究協力者と共に仮想評価法に基づく分析を行なうための準備を進めるとともに、聴覚障害をもつ労働者についての聞き取り調査を行なってきた。聞き取り調査については平成24年度以降も継続し、仮想評価法に基づく計量分析は平成24年度中に質問紙調査を実施するため、仮想評価法における近年の調査手法について文献調査を行ない、質問紙の作成作業を進めた。 この他、障害者雇用政策における納付金が障害をもつ労働者の雇用におよぼす効果を検証することを目的として、障害者の雇用水準が1.8%未満である雇用率未達成企業の公開データを用いて、Regression Discontinuityによる推計を行なう研究を進めた。具体的には、雇用水準をぎりぎり達成できている企業と、ぎりぎり達成できなかった企業を公表データを用いて分類し、産業別・従業員規模別に納付金が障害をもつ労働者の雇用促進に何らかの影響を与えているか検証する研究計画を進めている。現段階では、上場企業の株式公開情報を用いて、障害者雇用率の未達成企業を産業別・従業員規模別にデータのクリーニングを行なっている状況にある。この研究は社会保障問題に関するマイクロ計量経済分析を専門とする研究協力者と共に進めており、データの整理作業が終わり次第、Regression Discontinuityによる検証を行なう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
障害者雇用の仮想市場評価の研究については、当初の計画通り障害者雇用に関する先行研究のまとめと仮想市場評価法における質問紙調査の方法論について取りまとめ、本調査に移行する段階にある。また、障害者雇用における納付金制度の経済効果を検証するために、研究協力者とともにデータの整理を進めている段階にある。この他、聴覚障害教育の計量分析については適宜調査の準備を進めている段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
障害者雇用の仮想市場評価の研究と聴覚障害教育の計量分析を最優先に進める予定である。現在研究協力者と共に進めている障害労働者の納付金制度に関する計量分析の研究は平成24年度中に完成させることを目標としている。また国内外を含む研究拠点との交流をはかり、研究成果の学会発表や公刊などを予定している。
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