2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際マクロ経済学における内生的時間選好・習慣形成・非期待効用リスク回避の動学分析
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22730249
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
廣瀬 健一 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (40345450)
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Keywords | 国際マクロ経済学 |
Research Abstract |
本研究は(1)decreasing marginal impatienceと呼ばれる内生的時間選好(endogenous time preference)、(2)習慣形成(habit formation)、及び、(3)非期待効用(non-expected utility)によって表現されるリスク回避というような消費者選好を導入した国際マクロ経済における動学分析を展開して、【A】経常収支などを含めた主要マクロ経済変数の決定に関する考察や【B】為替レートのフォーワード・プレミアム・パズル(forwardpremiumpuzzle)などの様々な国際金融に関するパズルの解明に取り組むことを目的としている。 平成23年度も前年度に引き続き、【A】主要マクロ経済変数の決定に関する分析に関しては、decreasing marginal impatienceである内生的時間選好を導入した国際マクロ経済の動学モデルにおける定常状態を(数値計算を用いずに)解析的に導出して、主に長期的な主要マクロ経済変数の決定に関する考察を行った。また、【B】国際金融に関するパズルの解明に関しては、既存研究を詳細にサーベイして、本研究におけるパズルの解明に向けてのヒントを探りながら、解析的に分析可能な範囲で、習慣形成や非期待効用を導入した国際マクロ経済モデルによる各種の国際金融に関するパズルの解明に向けての基礎的考察を行った。さらに、来年度以降の研究に向けて、数値計算を用いた分析の準備にも取り掛かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に基づいて作成した論文1本が査読付海外雑誌に掲載(次年度に掲載予定)されることが決定したので。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、数値計算を用いた分析にも本格的に取り組む予定である。
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