2011 Fiscal Year Annual Research Report
欧州通貨圏における最適金融政策の下での最適財政政策の役割とルール
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22730257
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Research Institution | Chiba Keizai University |
Principal Investigator |
岡野 衛士 千葉経済大学, 経済学部・経済学科, 准教授 (20406713)
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Keywords | DSGE / Bayesian Estimation / Optimal Monetary Policy |
Research Abstract |
本年度は平成22年度の理論分析を実証した。まず、平成22年度に構築されたモデルを欧州通貨圏のデータを用いて推定した。推定に際してBayesianの手法を用いた。尤度関数をより推定結果は良好であると判断した。次に2次近似された効用関数から得られる社会損失関数を最小化する最適金融政策及び分権的最適財政政策の1階の条件を求めた。この1階の条件をモデルに代入し、この仮想的な最適金融政策及び分権的最適財政政策の下でのマクロ経済変数のパスのシミュレーションを行った。このシミレーションからマクロ経済変数のボラティリティを算出した。このボラティリティを下に仮想的な政策がもたらす社会構成と、実績値のボラティリティから推計される社会厚生、つまりSGPがもたらす社会厚生とを比較した。結果は予見されたとおりの結果であった。つまり、仮想的な金融政策がもたらす社会厚生は実績値から推計される社会厚生を凌駕した。これはBeyes Factorの比較から明らかであった。 推定とシミュレーションはDSGEモデルへのMarkov Chain Monte Carlo(MCMC)の応用を提案しているLubik and Schorfheide(2002)にしたがった。必要なデータはDatastreamより入手した(応募者は一橋大学のDatastreamが利用可能である)。 本年度の研究成果は国際学会にて報告した。また、この研究成果は一にまとめられ1編の論文として国際的な学術雑誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究の目的」がおおむね達成されている。研究の遂行に際して特に困難な状況に陥ることもなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は書式s-1-12に記載された「研究計画・方法」にしたがって欧州通貨圏のデータを用いて平成22年度に構築されたモデルを推定を推定した。これは「研究計画・方法」が妥当であることの証左である。したがって今後も本年度と同様書式s-1-12に記載された「研究計画・方法」にしたがい研究を遂行する。
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