2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730263
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
川崎 健太郎 東洋大学, 経営学部, 准教授 (80366509)
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Keywords | 為替相場 / 為替相場制度 / 金融市場 / 通貨統合・経済統合 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「東アジアにおける共通通貨圏創設」の可能性を探ることであり、1)アジア地域において急速に進んだ経済統合により、東アジア諸国は最適通貨圏へと近づいたのか、、2)この経済統合の進展は、アジア地域および日本経済にどう貢献しているか、またどのような意義をもたらしているか、3)経済統合のさらなる進展によって、期待される通貨統合は、アジア経済および日本経済にどのような影響をもたらすのか、について、聴き取り調査及び最新の理論・実証的な経済学アプローチによって明らかにすることである。 研究初年度である本年度は、聴き取り調査に重点を置き、インドネシア、米国、フィリピンへと出張した。インドネシア・ジャカルタ出張では、日系企業現地法人を数社訪問し、アジアにおける生産ネットワークの拡充と近年の為替管理について聴取を行い、米国・ワシントンDC出張では、IMFを訪問し、マクロ経済のモニタリングや通貨・金融危機防止、為替相場の変動監視の実態について聴取し、さらにアジアにおける為替変動監視の枠組みについての参考意見を求めた。フィリピン・マニラ出張では、実際にアジアにおけるマクロ経済モニタリングを行っているアジア開発銀行を訪問し、マクロ経済モニタリングに加え、為替相場のモニタリングがどのように地域経済の発展および経済危機防止に貢献するかについて議論を行った。これらの聴取結果から、今後の理論・実証研究の経済学アプローチにより明確な政策提言の視点を加えることが可能となった。
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