2010 Fiscal Year Annual Research Report
戦前期日本の株式市場の再設計―「証券民主化」の歴史的前提
Project/Area Number |
22730272
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大石 直樹 埼玉大学, 経済学部, 准教授 (00451732)
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Keywords | 株式市場 / 証券民主化 / 戦時統制 |
Research Abstract |
当該年度は、本研究の研究期間(3か年)の初年度にあたり、研究の基礎となる資料の収集と分析、及びデータベースの作成を行うこと、および概観に関する論文を執筆することを目標としていた。 資料の収集については、東京株式取引所が発行していた調査報告書である『調査彙報』、日本証券経済研究所編『日本証券史資料戦前編』(現在7巻まで刊行)、東京大学経済学部所蔵の「山一證券資料」、国立国会図書館つくば分館所蔵の「閉鎖機関関係資料」などの分析を中心に進め、これによって今後の研究にとって必要となる数多くの事実関係の解明作業を行った。また新規資料の調査については、GHQ資料を所蔵するアメリカ国立公文書館(NARA)を訪れ、資料調査を行った。 次にデータベースの作成については、東京株式取引所編『統計年報』、同『統計月報』、日本証券取引所編『統計月報』、日本銀行統計局編『戦時中金融統計要覧』を中心に、戦前期の株式市場と金融市場に関する数多くの統計データの入力作業を行った。 本年度は、上記の基礎的作業を中心に進めたが、並行して研究の概論となるべき論文執筆を行った。未だ学会誌に投稿するまでには至っていないものの、本論文の骨子について、次年度の出来るだけ早い段階で学会報告を行った上で、出来るだけ早急に投稿を行ないたいと考えている(2011年5月に開催される社会経済史学会全国大会での報告を予定している)。
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