2013 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光発電のイノベーションと企業間競争における複数製品分野間の影響関係
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22730293
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松本 陽一 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00510249)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | イノベーション / 太陽電池 |
Research Abstract |
日本では過去40年以上にわたり太陽電池をはじめとする太陽光発電関連技術の開発が進められてきた。ところが、地球環境問題への関心の高まりなどから太陽光発電の産業が急速に成長し始めた段階になって日本企業の世界的な地位が低下している懸念がある。太陽電池は半導体や液晶といった製品に類似の技術が使われ、それらに関連する企業が新規参入している。本研究は、太陽光発電におけるイノベーションに他の製品と共通の技術や、それを用いた企業がいかなる影響を与え、また、この分野の企業間競争にどのように関わってきたのかを明らかにし、そのような重層的競争構造の分析枠組みを提起する。 この目的のために、本年度は大別二つの調査を実施した。第1に、半導体、液晶ディスプレイ、そして太陽電池の薄膜シリコン太陽電池と結晶シリコン太陽電池とで利用されている製造装置のプラズマCVD装置を対象として、日本で実用化されてきた歴史的な経緯を調査した。この調査からさまざまな用途に利用される「汎用技術」としてのプラズマCVD技術が、それぞれの専用技術への応用の中でどのように発展し、それがまた別の専用技術へと転化されていったのかが明らかになった。 第2に、太陽電池に関する研究開発の取り組みが、いくつか存在する主要な太陽電池方式間でどのように行われているのか、その全体像を把握するため、世界的な学会の発表を対象とした書誌情報の分析を行った。これによって日本における太陽電池の研究開発は、とくに薄膜シリコン太陽電池関連技術に強みを持っていることが分かった。 以上の調査と過年度までの研究成果を考慮すると、太陽電池のように異なる製品分野との技術的な関連性が強い製品においては、イノベーションの需要サイドと供給サイドとを区別した上で、それぞれが異なる製品分野から受ける影響を考慮した分析枠組みが有用であるという仮説的な視座を得た。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)