2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22730294
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小沢 貴史 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 准教授 (50367132)
|
Keywords | 衰退市場 / 対照群 / 最高値更新率 / 出荷水準倍率 / 焼酎市場 / 清酒市場 / 消費者の嗜好の変化 / 国産製品 |
Research Abstract |
本研究では、「経済産業省経済産業政策局調査統計部編、工業統計表 品目編」によって公刊された出荷データ(金額ベース)に基づき、衰退市場の生起実態に関する分析を網羅的に行った。食品、料・たばこ・飼料、木材・木製品、家具・装備品、パルプ・紙・紙加工品、石油製品・石炭製品、プラスチック製品、ゴム製品、なめし皮・同関連製品・毛皮、非鉄金属、精密機械業界に属する製品市場を分析対象とした。市場の衰退化に関する先行研究の議論の多くは、衰退市場の選定が限定的、ないしは恣意的である。そこで本研究では、三品(2007)が採用した経営戦略の評価尺度を参照し、2種類の判定尺度を用意した。それは出荷における成長の持続力(最高値更新率)と跳躍力(出荷水準倍率)を判定するものである。本研究では、1970年~2006年に至るまでの36年間を観測した。 出荷成長の持続力をみた場合、日本の製品市場では、約6.0年に1度の割合で、出荷金額における最高値の更新が実現している勘定となった。中でも、最高値を更新する頻度が9年に1度よりも下回る衰退市場が、全体の半数以上を占めていた。出荷成長の跳躍力をみた場合、その平均像は、後半のほうが前半よりも衰退傾向にあることがわかった。よって成熟型経済の只中にあることは言うに及ず、石油ショックやバブル経済などの外的ショックの影響以前に、むしろ超長期にわたって深刻な状況にあったと指摘できる。本研究では、最高値更新率、及び出荷水準倍率における衰退市場判定の条件を、どちらか一方ではなく、両方を同時に満たす製品市場を衰退市場と最終的に判定した。
|
Research Products
(2 results)